ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルの番組「イノベーション」。
交通事故で脊髄を損傷し車椅子で生活している女性(19歳)が、幹細胞の移植によって、麻痺していた四肢を再び動かせるようになり、さらに日々回復基調にある様子を放映している(再放送)。

http://www.ngcjapan.com/explore/list.html#sci

悲劇は、サマーキャンプの帰り道、15歳の少女ローラの身に起きた。
車で家に向っていると突如、前方路上にオイルが流れ出しているのを発見する。だが、車は避けきれずにスリップし、コンクリートの壁に激突して大破した。
首の骨を折った彼女は、危機的状況を脱し一命を取り止めたものの、以来、首から下の全身麻痺による車椅子生活を余儀なくされた。
辛く長いリハビリにも関わらず、ローラの四肢は完全に感覚を失ったまま。担当医は、実験的ながらも、最後の可能性を求めて、鼻の幹細胞を脊髄に移植する手術を試みた。
結果は驚くべきものだった。幹細胞は見事に活性化し、彼女の身体には徐々に感覚が戻ってきた。理学療法を繰り返しながらだが、少しずつ手首・足首を動かせるようになったのだ。将来は筋肉をつけて運動能力を高め、歩けるようになりたい、とローラは目を輝かせた。

奇跡の治療法・幹細胞移植は、不自由な身体を車椅子やベッドに乗せている世界中の人にとって朗報だ。再生機能を持つ幹細胞、とりわけあらゆる細胞へ対応するES細胞は、病や怪我で苦しむすべての患者にとって希望の光でもある。そして、そのES細胞は、神経線維まで再生させる働きがあるという。もしかして私の左足も……(期待)。

※ナショジオ特集号、夢の細胞「幹細胞(ES細胞)」。

NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 07月号 [雑誌]

折りしも、韓国では、黄禹錫(ファン・ウソク)教授の胚性幹(ES)細胞の作成論文が捏造だったことが判明した。万に一の可能性を期待している患者からしてみれば、黄教授のウソは単なるウソでは済まず、もはや立派な犯罪だ。
現在は、ポルトガル等一部の国でしか認められていない幹細胞移植手術。愚かなひとりの教授の犯罪によって、臨床期間や実用化がさらに延びることのないことを心から祈る。