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【ネロ帝とセネカ】幹事長辞任の理由(NHK党と森友学園)

 「東に行け」と言われて東に向かって歩んでいると「なぜ西に行かなかったのか!」と叱られる…。みなさんにもこんな経験はないだろうか?


 人の心はうつろいやすい。上司の心変わりを責めるつもりもない。しかし、忠実に仕事をこなしていて、結果を出して、それを罵倒された部下の立場からすればーーもはや、たまったものではないだろう(笑)。


 ローマ時代の64年、大火によって激甚な被害を受けたローマ帝国は、危機的状況にあった。ネロ帝はその政治責任を誰かに押し付けがんため、師でありブレーンであったセネカを「放火犯」に仕立て上げた。もちろん政治の一線から退き地方で暮らす老セネカが犯人のはずもない。


 だが、母を殺し、弟を殺し、妻を自殺に追い込んだ暴君ネロ帝は、焦っていた。これ以上、市民からの評判を墜とすわけにはないかない。誰かをスケープゴートに仕立てあげなくてはならなかったのである。


 そんな中、新皇帝擁立の計画が露見すると、ネロ帝は今度はセネカが関与していると、ストーリーをでっち上げ、事実上尋問することもなく、死刑を命じたのだ。ネロ帝からの理不尽な要求だったが、セネカはそれを受け入れた。


 ソクラテスのごとく毒を煽るが死にきれず、続いて風呂場で手首・足首を自ら切って苦しみながらようやく死に至った。死刑宣告の直前、セネカはこう語っていたという。


「ネロの残忍な性格であれば、弟を殺し、母を殺し、妻を自殺に追い込めば、あとは師を殺害する以外に何も残っていない」(『年代記』タキトゥス)


 NHK党での幹事長としての最後の仕事はまさしくセネカの心境だった。本来やるべきNHK問題とは別の森友学園の仕事を命じられたが、その問題解決ための助力を立花党首から直接任じられ、結果成果をだしてきたのだから、私個人としては他人がどう語ろうと、どう思おうと極めて満足していた。そして党に貢献してきたと自負していた。


 だが、結果はあまりに想定外のモノだった。立花党首は3月5日の記者会見で一方的に私を誹謗し、解任をちらつかせたのだ。決して立花孝志党首やNHK党のこれまでの実績を批判しているわけではない。不思議なのは、なぜ立花党首がそこまで感情的になっているのかということだけだ。


 たとえば3月上旬、森友学園の件で「状況を説明しろ」と言われて、即日説明に上がった。そこで「森友理事長に電話しろ」というのでその場で籠池理事長に電話をした。次に「記者会見をしろ。それまでは応対しない」というので予定されていた写真週刊誌への反論記者会見の日程を前倒して緊急会見を行った。すると今度は「なぜ記者会見をした?」と批判される。もはや、冷静な判断能力を失っているとしか思えない。


 ネロ帝は自らの失政を隠すために、周囲の人物を次々と排除していった。その結果、ネロ帝時代のローマが衰退したのは後世の私たちならば誰もが知っていることだ。


 森友学園についての立花党首の言動は常軌を逸していると指摘せざるを得ない。合理的な判断を失わせるような何かがあったのかもしれない。立花党首にはぜひ正気に戻って、改革のために本来の道を歩みなおしてほしい。それが難しいのならば、新しいリーダーを立てて、少し休息を取られることをお勧めする。それが幹事長としての最後の願いである。


※なお、立花孝志党首への疑問を確認した「質問状」については、現時点(2021年3月19日現在)ではメルマガでの公開といたします。個人情報保護やプライバシーの観点から限定公開とすることをご了解ください。



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