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上杉隆は京都・聖護院門跡で得度いたしました。

最終更新: 2019年4月13日

齢50、平成という時代の終わりに際し、私自身も人生の新たな旅に出ることにいたしました。


2019.01.25  齢50、平成という時代の終わりに際し、私自身も人生の新たな旅に出ることにいたしました。 私事であり、とくに公にするつもりはありませんでしたが、みなさまにいらぬご心配をおかけすることがあってはならないと考え、ここにご報告を申し上げます。 ニューヨークタイムズ時代から20年続くダライ・ラマ氏との親交、その猊下からのお招きによりインドに旅したのが5年前の2014年のことでした。当地では、世界各地の仏教界の高僧の方々とブッダガヤをはじめインド各地を巡礼し、奈良・京都仏教会の方々とも知己になるご縁をいただきました。 とりわけ、本山修験宗総本山聖護院門跡とは不思議な邂逅もあり、数年にわたって御門主夫妻とのご縁を結ばせていただきました。そうした中、葛城修行やモンゴルやシベリアなどへの慰霊の旅にも同行させていただくなどして、昨年末、得度を許されるに至りました。 振り返れば50歳になってから再読した古典文学や仏教関連書籍だけではなく、神道やキリスト教など諸宗教の経典などにあたる中で、『スッタニパータ』や『ダンマパダ』などの原始仏教(仏陀の教え)から、気づきと指針を得、仏の道を歩む決意を固めた次第です。 正直に申し上げれば、これまでの私の宗教観は無神論に近いものでした。信仰心は薄く、とくに日本の宗教界に対する信頼は篤いとはいえませんでした。しかし、近年、歴史哲学者のイヴァル・ノア・ハラリ氏などの史観なども示すように、宗教というよりも実践哲学として仏教を捉えた場合、自らの人生観に新たな光が当たることで、眼を啓くことができました。 中学・高校と多くの古典文学に触れ、またジャーナリストとして世界中を往来し、とりわけ3・11の報道によって、人類の存在、現代社会の光と影を探索するうえで、自らの生き方に欠かせない要素としての「宗教」を認知することができました。 得度と申しあげても、まずは在俗での修行になります。仏門に入るにあたっては「戒め」を忠実に守り、これまでの人生の目標を深め、また広げながら、仏法を修めていこうと考えております。 思えば、15歳で家を出て、20代は夢と希望だけを求めてがむしゃらに生き、30代ではその行動ゆえに多くの人々を傷つけながらもジャーナリストとして世に数多くの物事を問い、40代では都知事選出馬などによる社会への恩返しとメディア創業などによる多様な場の構築という取り組みに邁進してきたと自負しています。  昨今、得度というと「出家詐欺」や「宗教ビジネス」のように、己の欲望や虚栄心を満たすための道具として悪用されている節があります。確かに1995年のオウム真理教事件以降、メディアで喧伝されている新宗教などへの嫌悪感は、私自身にも影響がないとは言い切れません。釈尊の教えからはほど遠い身勝手な教義と教団を融合させた自己解釈により起きた不幸ではあるものの、それもまた人間の業であると諦念しています。 私の半世紀は、挑戦と失敗に溢れた人生でした。幹を育てるべきところを枝葉にこだわり、自ら苦しみ、人を苦しめた過去も少なくありません。多くの人々を傷つけたのではないか、助力することができたのではないか、と繰り返し自問する中で、私自身『スッタニパータ』の中の一節、「犀(の角)のようにただ独り歩め」という言葉を肝に銘じ、雑念から離れ、新たな道を歩もうと決意しました。 頂戴した法名は「上杉隆犀(りゅうさい)」です。過去の悲しい歴史から、法名に動物の名を付けることはタブーとする向きもありますが、犀は釈迦自身が言及した仏教にゆかりの深い霊獣であり、神聖な空間への案内役とも伝承されています。また『スッタニパータ』の犀は、ニーチェやヘルマン・ヘッセなどにもその著作などで引用されるほどの象徴的な神獣でもありました。 「最高の目的を達成するために努力策励し、こころが怯むことなく、行いに怠ることなく、堅固な活動をなし、体力と智力とを具え、犀の角のようにただ独り歩め」という『スッタニパータ』の節を実践するうえで、聖護院門跡様から、私自身にとって最良の法名を頂戴したと感謝しております。 いま私は、人生の起点に立つ清らかな喜びに満ちています。多くの先達たちからの教えを得、なかんずく自らの価値観を研磨することで、新しく人生をスタートすることを、ここにご報告させていただきます。 すべてのみなさまの許に、多様な世界が到来し、あらゆる紛争が消滅することを祈っております。心からの感謝を込めて。 平成31年(2019年)1月25日 上杉隆犀





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